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メッセージ

単純且つ奥深い水墨画の魅力をお楽しみください

初めまして。成澤 聖空(なるさわ しょうくう)です。
水墨画は、墨と水のみで描く単純な絵画です。
しかし、単純がゆえに描き 手の技量や個性が表現される絵に現れ、熱意や努力によって人を感動させる作品を生み出すことも出来ます。昔から「墨に五彩あり」と言われ、作者の技量や鑑賞者の見識で多彩な色が表現できるという意味です。
私はそんな単純かつ奥深い魅力のある水墨画にひかれ、技法や表現方法の探求を続けています。

 

 

 

水墨画とは、読んで字のごとく、水と墨で描く絵画です。
鎌倉時代、禅宗とともに日本にもたらされた水墨画は、八百年の歴史を持ち、中国に起源を求めれば、さらに四、五百年はさかのぼる東洋芸術です。そして、日本の水墨画は禅の精神をひろめる為に庶民に広がった絵画であり、日本の文化となっていきました。古来、「墨に五彩あり」という言葉が伝えられて来ました。これは、墨に五つの色があるということではなく、無限の色、全宇宙の色が含まれていることと解釈されています。東洋の仏教的な考えによると、色は物質を象徴し、空(くう)は精神を表すといわれます。般若心経の「色即是空、空即是色」という一文がありますが、「空(くう)」と「墨」は近い精神をもっていると私は考えます。「空(くう)」とは、「なにもない」と言うことではなく、関係やつながり、現象の事を指します。「色」すなわち実体や物質はすべて、それぞれの目に見えぬ、関係性からくる行動や精神「空(くう)」により生み出されているのです。私は、空の精神を持った墨の表現方法を模索し、作品から色を心に感じて頂きたいと作画しております。