硯(すずり)について
硯の面は海(墨をためておく溝)と丘(墨をする面)に分かれます。
丘の表面は、墨が擦れるように非常に細かいザラザラした状態になっており、その部分を状態を鋒鋩(ほうぼう)と呼びます。
硯を購入してから長い期間墨を擦り続けていると、鋒鋩の表面は摩耗してつるつるの状態になっていきます。
また、手入れが悪く墨のカスが鋒鋩の隙間に入り込み、良い墨を擦れなくなる事があります。
そのような状態になったら、硯のメンテナンスが必要となってきます。
硯の石は主に粘土や火山灰が固まってできた石であり、鋒鋩の表面は非常に細かく0.2ミクロンにも満たない石片が重なり合って出来ています。その石質により墨の擦り味が変わります。
現在、学童用のすずりを見てみると、書写の時間は墨液を使い、固形墨を使って墨を擦る事が無くなってきているため、墨の擦れない硯があります。安いからと言ってそれらを使うのは水墨画においてよいとは言えないでしょう。
日本の硯
雨畑硯 山梨県
赤間硯 山口県